第二十一通 夜空について

| | コメント(0)
 子供の頃、晴れた日の夜に空を見上げると、月や星々がとても綺麗に光り輝いていて、いつまで眺めていても飽くことのなかった事を覚えています。田舎の空気は汚れなく、満天の星が輝いていたのです。

 今、夜空を見上げてみても、あの頃ほど心動かされる事がないのは、なぜなのでしょうか。
 それは、私が大人となり、感受性が弱くなったからかも知れませんし、あるいは、私が好ましくない形で成長を遂げ、顔を上げても、それに応じた景色しか見付ける事ができないからかも知れません。
 
 いずれにしても、その様な状態は好ましくないものです。
 
 なぜならば、子供の様な状態こそが、純粋で、神に通じた状態であるからです。従って、私は、その様な感性が蘇る様に努めなくてはなりません
 
 夜、星々の神秘的な営みを目にして、何も感じる事がない様ならば、それは、忌むべき状態です。自然な状態にあるならば、美しい光景に接した者は、心を動かされるものなのですから。
 
 もっとも、美しさを感じ取る程の心の余裕がない事と、心が汚れてしまっている為にその様なものを見付ける事ができない事とは、別の事でしょう。
 
 古代人の多くは、前者であったかも知れません。そして、現代人の多くは、両方に当てはまるのかも知れません。しかし、真の芸術家は、どちらにも当てはまらないでしょう。

コメントする

このブログ記事について

このページは、Kenji Takahashiが2008年11月15日 19:00に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「第二十通 都会と田舎について」です。

次のブログ記事は「第二十二通 自由について」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。