第十一通から第二十通: 2008年10月アーカイブ

第十九通 美しき事について

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 人類は、富める人々と、貧しき人々に二分されています。それは、国内においてその様なのですし、また、世界においても、そうなのです。
 
 人の出生には、その者の、生前の因果が関係するのだと云われますが、この様な現状を目にして、私は、自らが富める国に生を享けて幸運であったと、そうして済ます事はできません。
 
 それは、その様な状態が醜悪なものである様に感じるからです。

第十八通 隅田川について

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 初めて隅田川をゆっくり眺めたのは、某予備校の寮に入り、しばらく経った頃でした。
 
 その頃は、一日中机に向かう毎日でしたので、気分転換の為、私は努めて散歩に出かけては、相生橋や中央大橋の上から、隅田川を眺めていました。

第十七通 生と不自由について

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 私たちは、遅かれ早かれ、死する存在です。しかし、今の所は生きています。そして、生きるという事は、云うなれば、不自由との闘いです。
 
 今、この様に机に向かっていてさえも、私は、物への執着の念と闘っています。執着の念は、心の自由を奪い去ります。それ故、それは無くして行くべきものなのですが、頭ではその様に理解していても、本能的な、心の奥底から這い上がって来る様な欲望というものは、容易には取り除く事ができません。
 人間は神ではありません。それ故、不完全な存在であると云えます。つまり、人間は、程度の差こそあれ、未熟な面を有しているのです。
 
 日頃から、未熟な面を改める様に努め、高い境地に至った者も、それを改める事無く、低い境涯に留まっている者も、それを有している、という点では一致しています。

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